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2011年9月2日金曜日

インピーダンス その2


前回に続いて、インピーダンスについて。ダイレクトボックスをなぜ使う必要があるのか、ミキサー、アンプと楽器との接続で考慮すべき点を見てみました。


ハイインピーダンスとローインピーダンスの互換性

 ローとハイインピーダンスが作用しない理由は、水道管と水の関係によく例えられる。この比喩上では、水は電気であり、水道管の大きさは、インピーダンスの量ということになる。
 非常に小さなパイプを想像してほしい。小さなパイプは、ハイインピーダンスを表している。というのも、どんなに多くの水が小さなパイプの入口にあっても、限られた水の量だけしか、一度にパイプを通ることができない。その物理的なサイズが、一定時間にパイプを通る水の量を制限している。

 もし、ローインピーダンス出力をハイインピーダンス入力に接続すれば、問題が起こる。とても大きなパイプ(LoΖ)を通り抜けるマイクロフォンの信号を想像してみてほしい。ローインピーダンスのアンプ入力では同じサイズのパイプが期待される。その信号が、ハイインピーダンスのアンプ入力で小さなパイプに遭遇すれば、完全なローインピーダンスの信号が効率的で正確に小さなパイプを通ることは不可能である。信号の流れに対して抵抗が大きすぎるのである。つまり、パイプが小さすぎるのだ。

 この比喩は、とても適切なものである。というのも、ローインピーダンスのマイク出力をハイインピーダンスのアンプ入力に接続する結果は、不十分なレベルである。そのアンプは最大限の音量になるかもしれないが、マイクからの信号を聞き取ることは、ほとんどできないだろう。アンプ入力では抵抗が大きすぎるのだ。

 他の不適合なシナリオは、ハイインピーダンス出力(マイク、ギター、キーボード)をローインピーダンス入力(ミキサー、アンプ、スピーカー)に接続することに関連する。このケースでは、ハイインピーダンス出力(小さなパイプ)はハイインピーダンス入力(小さなパイプ)を必要とする。言い換えれば、高い抵抗を処理する必要がある。もし、ハイインピーダンス出力信号がローインピーダンス入力に接続されれば、信号は、実質的に、無抵抗に直面するので、ほとんど即座に過大入力する。

 実践的に言えば、ハイインピーダンスのギター入力をローインピーダンスのミキサーに入れる場合、入力レベルが上がるとすぐに、VUメーターが0VUを読み込む。それでも、聞こえるサウンドは、大抵歪んでいる。入力に十分な抵抗がないからである。

 ハイインピーダンス出力は、ハイインピーダンス入力を処理すべきであり、ローインピーダンス出力は、ローインピーダンス入力を処理すべきである。入力と出力インピーダンスが同一である必要がある、ということは真実ではない。実際には、入力インピーダンスは、たいてい、出力インピーダンスの約10倍であるべきだが、しっかりと理解すべきなのは、ハイインピーダンスは、高い値(10,000Ω以上)、ローインピーダンスは、低い値(典型的には1,000Ω以下)を利用する、ということだ。


 シンプルに、インピーダンスをHighからLow、LowからHighに変換するために、ラインマッチング変換器、あるいはダイレクトボックスといったインピーダンス変換器を利用することもできる。これは、簡単な話である。しかしながら、なぜ、そうしなければならないのかということをしっかりと理解すべきである。

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