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2012年11月7日水曜日

ノイズ・リダクション ProTools DINR(LE)の使い方



今回は、Noise Reduction( Pro Tools DINR (LE) )です。先日、ナレーション素材をエディット依頼がありました。録音環境がひどくノイズがかなり乗っていたので、ノイズ・リダクションで処理をしましたが、60分のオーディオファイルが10分割、Speakerは6人くらいでした。

 折角の機会なので、動作原理と使い方をメモしておきます。



作動原理:ダウンワード・エキスパンダー
→スレッショルド以下の信号がリニア状態に押さえ込める。



一般的なエキスパンダーの各パラメータは次のとおりです。

Threshold…スレッショルド以下の信号が抑えられる。

Ratio…エクスパンションの比率を設定。(2:1ならスレッショルド以下の信号は、1/2に低減される。)MAX設定であれば、Gateと同じような働きをする。

Attack…スレッショルド以下になった信号のレベルが減少する速度。ゲインリダクションの勾配になる。

Hold…Attackの後のエキスパンダーがオープンである時間をミリ秒単位で設定。スレッショルド付近の入力レベルが上下することで、発生するchatter(シャリ音)を回避する使い方も。

Release…入力信号がスレッショルド以下になった後、Gateがクローズするまでの時間 。

Range or Attenuation ratio…ゲート・クローズした際の深さを設定。(滑らかさ)


これで、基本のおさらいは終了です。




DINRのプロセスとしては、大まかに3つです。


1.ノイズシグネチャーの作成

2.コントゥアー・ラインの設定

3.各パラメータの調整

になります。パラメータの説明から。




P1 (Parameter1以下省略)
Noise Adj:ノイズ信号を減衰させる量をデシベル単位で調整。-20~30が目安。


P2
response:ノイズ変化に対するダウンワード・エキスパンダーの反応時間を調整。

レスポンス短い(速い)→ノイズ除去量が増える ⇔ 音質変化/大
レスポンス長い(遅い)→ノイズ除去量が減る  ⇔ 音質変化/小


P3
release:Noise Reducで指定しているノイズ量がオーディオ信号に存在している場合、目的の量が減衰された後、ダウンワード・エキスパンダーが解除されるまでの時間を設定。

Release短い(速い) →ノイズ除去量が増える  ⇔ 音質変化/大
Release長い(遅い) →ノイズ除去量が減る   ⇔ 音質変化/小


P4
Smoothing:スレッショルドを超えたノイズに対して、ノイズリダクションを適用する度合いの調整。

0%なし ~ 100%Smoothing最大




P5
Hi Shelf : 高帯域の補正(ノイズ減少による副作用)

おまけ(AudioSuiteの場合)

Audition :取り除かれるノイズ成分の確認
Post-Processing :オーディオファイルを後処理することで、音質変化を最小限に


1.ノイズシグネチャーの作成
・リダクションを適用するオーディオ素材から、ノイズ部分を選択し、DINR上のLearnを押す。
・ノイズスペクトルが作成される。

2.コントゥアー・ラインの設定
・super fit を押す。


3.各パラメータの調整
・P1で、Bypassを用いて、効果を確認しながら、値を大きくしていく。
・P2、P3の速度を短くする。
・P4で滑らかさをだす。
・ハイが気になれば、補正

4.プロセスする
・Post-Processingを押す。
・プロセスする


注意点は、シャリ音がないか、注意深く聴くことですね。


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